このチームは違うと、プレーと結果で見せたい

10日に敵地で行われるW杯26アジア最終予選のサウジアラビア戦に向け、日本代表はジッダで調整を進めている。過去3戦をすべて0-1で敗れているこの対戦は、選手たちにとっても特別な意味を持つ。


DF谷口彰悟は「なかなか勝てていないが、このチームは違うぞと、しっかりプレーと結果で見せたい」と強い決意を語った。2年ぶりの代表復帰を果たしたMF藤田譲瑠チマも、「前回の東京五輪のときに比べたら、レベルが相当上がっている」とA代表の進化に感銘を受けながら、「やっぱりそこに食い込んでこそ、パリオリンピックの意味がある。自分たちの世代ももっと頑張ってどんどん上を脅かす存在になりたい」とパリ世代の意気込みを語った。

過去3戦は後半の疲労で失点したという反省から、谷口はコミュニケーションの重要性を強調。「頭がボーっとしてしまう可能性もあるだろうし、ミスが出た後、即時回収に行くのか、自陣に引くのか、その辺はピッチ内でしっかり合わせていかないといけない」とチーム全体での意識改革を訴えている。


守護神・鈴木彩艶も「次の試合は全く別物になる」と過去にとらわれず、無失点という目標を掲げた。「相手の勢いがすごいと思う。次の試合は全く別物になると想定して準備したい」とアウェーでの戦いに備えている。


好調を維持しているMF三笘薫は「意識はまったくしていないが、暑さとアウェーの雰囲気で難しい場所」としながらも、「最初の試合の入り方で決まってくる。自分たちがいい運びかたができれれば、関係なくなってくる」と冷静に分析。過去3戦とも得点が取れていない状況に対しては、「僕らのところで負けなければサイドでは負けることはない」と左サイドからの攻守を担う決意を示した。


FW上田綺世は「記録的なところはあまり考える必要がない」と、過去の日本代表エースが得点できなかったというジンクスにとらわれず、「僕らが今、W杯予選を戦っていて2連勝して、1位をキープしている。この2試合、やはりヤマ場になると思う。ここの2試合で、この後の展開も大きく変わる。チームを勝たせる1点を取りたい」と語り、鬼門の地での日本勢初得点に挑むことを表明した。近年欧州で成長を遂げている上田は、メンタル面での強化も感じており、チームの勝利に貢献することを誓った。「今、自分がチームで求められて、やっていることが代表でも出せている。そこに応えたい。引き出し増やすためにいろいろやっている。少しずつ形になってきた」。苦しみながらも、果敢に壁に立ち向かい高みへと駆け上がるエースが、鬼門でジンクスを破る準備はできている。


日本代表は、チーム一丸となって鬼門を突破し、重要な2連勝を掴み取ることを目指す。