非常に重みのあるメダルだった


「メダルをかけた感想としては、やっぱり重たいなっていう。非常に重みのあるメダルだなと思っていますし、この12年間、いろんな人が私の柔道に関わってくれて、今日のメダルが取れたと思っています。」


「会場はほぼ満席に近いようなね。熱気溢れる空間でした。多くのフランスの方の声も聞こえましたが、その中でもたくさんの日本人の頑張れという声も聞こえて、私にとってすごくこの声援がプレッシャーではなく、自分の背中を押してくれている、そんな勇気づけられる空間でもありました。表彰式では特別で新鮮な空気感を味わうことができて、非常に嬉しいなという気持ちです。」



「柔道女子48キロ級J1クラス半谷静香です。この度、4度目の出場で初めての銀メダルを獲得することができました。皆さん応援いただきありがとうございました。」


「私にとってはこの12年間はとても長い時間だったように感じています。東京パラリンピック以降、右膝を怪我して手術をしてリハビリをする時間を経て、今回このパリの舞台に挑戦させていただきました。また、今大会からクラス分けが編成されまして、見えないクラス、全盲のクラスで戦うことになったのもあって、私にとっての柔道の捉え方が変わった。その東京以降、変わった期間でもありました。」


「ようやく柔道が楽しい、心の底から面白いっていう風に感じられるようになったのも、このパリ大会がきっかけだったと思います。やればやるほど奥深くて面白いこの柔道という競技がさらに好きになりました。」


「終わったばかりでまだ何も考えていませんが、やはり柔道がすごく面白い、楽しい競技だと思っていますので、1つの技を取っても誰がどのタイミングで入るかっていう、そんないろんな見方ができる競技、もっと深掘りしていけたらいいなっていう風に思っているので、柔道を末長くやっていけたらいいなと思ってます。」


「景色はあんまり見えたりしないので、食事なんですけど、私は減量がある選手なので、これから、今日からパリの食事を堪能したいなという風に考えています。食べたいもの。今はアイスなんですけど、マカロンとかアイスとか食べたいですし、お肉も食べたいです。」


「東京から3年間あったですけれど、実質私は手術とリハビリの時間があったので、稼働してた時間、柔道、柔道着を着て練習してた時間は1年半くらいしかありませんでした。その1年半の中で、自分ができるようになることが日々増えること。手術をしてしまったので歩けないところから私をこのパリは始まっていて、試合に出るたびに、試合に出るまでの過程でも、今までだったらできなかったことが、原点に戻ったからこそできるようになる。」


「気づけなかったことに気づくことができた期間でもあって。選考レースに入って、去年の9月から国際大会に出るようになったんですけど、出るたびにできることが2個、3個、気づきがさらに2個、3個あって、練習の中に取り組み入れることができて、次の大会ではそれがまたできて、すごく濃縮した半年を過ごすことができました。」


「コーチからもいつも言われているんですけど、諦めない、粘り強く柔道するようにっていう風に言われていて、練習してきたことを出さなきゃもったいないって思って試合に挑んでいます。」


「試合中も今、自分の何パーセントの力が出せているんだろう。で、その待てがかかるたんびに自分に問うようにして、ゴールデンスコアで苦しい時でも、これでもまだ何パーセントまだ出せる、まだ出せるっていう風に思って試合をすることができました。」


「苦しい練習はすごく多くあって、36歳になってもまだまだ泣きながら練習をしていて、本当に今思い出してもメダルの喜びよりも練習の苦しさで涙が出るんじゃないかっていうぐらい苦しかったんですけど、やっぱ追い込むこと、自分自身で最後の最後追い込めないところをコーチに手助けしてもらって、追い込んだ練習ができたり、柔道の中で不足している部分をストレングス・コーチにサポートしてもらってできるようになったこと全てが試合に出せたこと。」


「出す時って普通は怖い、いけないって思うところもあるんですけど、自分の場合はやらなきゃもったいないって思えて、全てを出し切れたっていうところがやっぱり良かったなと思いますし、銀メダル、悔しい銀メダルではありますが、納得の銀メダルだなという風に思っています。」


「感覚に関しては2つの要因を考えていて、私が視力を失ってしまったことと、右膝を怪我してしまったこと。この2つを考えて、自分にできることは何かって考えました。で、やっぱりそうなった時に思い通りに体を動かせることが重要になるっていういう風に考えて。鏡も動画も見れない中で、自分のまっすぐだったり正しい動きを習得するためには、やはりその自分の関節の位置だったり、まっすぐ立っているのか、相手はどうなっているのかでを感じる。」


「その先に体感を強くして四肢の力を抜くことで相手の動きを感じるっていうこの道筋ができてくるので、鏡を見えなくなったことが自分自身に意識を向けるきっかけになりましたし、右膝を怪我をしたことによって、左右対象をすごく意識してトレーニング、練習に取り組むようになりました。」


「まっすぐを意識すると、瞬発的に力を発揮することも容易になりますし、相手の動きを感じ取ることもできる。全てできることにもできないことにも理由があるっていう風に考えられたのも、見えなくなったからこそですし、膝を怪我したからこそだと思っています。」


「自分に意識を向けるっていうのはやはり難しいことではありますが、自分にとってはこのパリという舞台があったからこそ、この短い期間の中で挑戦することができたんだなと思っています。」


「私のテーマ、競技をする中でのテーマは言語化っていうことにすごくこだわっているので、その点に関して柔道家と話すと、ちょっとあんまり、なんだろうな。言語化にこだわってる選手がそこまでいるかって言ったらわからないですし、そこがまた視覚障害者の中でってなってくるとまたよくわから。あんまり話したことがなくて、何らかの基準は皆さん持っていて強くなっていると思うんですけど、あまりわからないです。」


「(会場は)すごく声援が大きかったんですけど、合間合間を縫って(コーチの声が)聞こえてくる感じがありました。でも途中、あんなに大きい声援の中で声聞こえるわけないよなって思って、思い込みだった部分もあるかもしれないなとは考えました。コーチからはいつも"こだわれ"っていうコメントをいっぱい出してもらうんですけど、その言葉に隠れているのは姿勢だったり、吊り手引き手を意識するっていういろんな言葉がか意識できる短い単語、大きい声援の中でも私に届く言葉を先生が1番短くして選んでくれていて、その"こだわれ"が待てのタイミングで聞こえてきたり、ゴールデンスコアに行く辛いタイミングのちょっとした合間になんとなく聞こえたりっていうので、私自身が"そうだそうだ"って意識を取り戻すきっかけになっていたので。先生の声は励みになりました。」


「会場全体の声が私の背中を押してくれているんじゃないかなって思えるような、そんなふうに感じることができました。現地のフランスの方が応援に来てくれていて、日本人、フランス人問わずに私を応援してくれる声も聞こえて、こんな環境で試合ができることがすごく嬉しいなっていうのと、ゴールデンスコアを2回試合しているので、辛い時にそういう声が本当に背中を押してくれたなって思っています。声援があったからこそ、決勝の舞台に進めたと思ってます。」

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