しっかり飛ぶことが出来てスイッチが入った


◆千葉百音

まだ2位の実感がない。確かに練習通りの良い演技ができたので、とりあえずホッとしてる。すごく緊張した中で、足も少し力が入りづらくて、ジャンプも全て100点満点ではなかった。フィリップが少し危なかったが、最初のコンビネーション・ジャンプがトウループで、しっかり飛ぶことができ、そこでしっかり頑張ろうってスイッチが入った。

去年と同じ最終グループだったが、去年経験したからといって今年の緊張が減ることはなく、むしろすごく緊張した。でも、ここに来るまでの事前の練習が去年より良いものだった。その分、去年より自分の動きに自信を持って滑れた。今回、ここに来るまで凄く調子は良かったが、毎回そうとは限らない。完璧な状態じゃなく緊張して調子が悪い時でも、今回の結果の記憶をしっかり生かせたらなと思う。


浜田コーチから、「ここに来るまで練習をもうすごい頑張ったんだから自分を信じて!」と言われた。また「私が後ろについてるから私を信じて!」と、すごく力強いお言葉をいただいて、心強く望むことができた。最終グループで緊張することは、予想がついていた。その中でもちゃんと飛べないといけないっていう風に練習してきたのがよかったと思う。


私は演技中に苦しくなってくると肩が上がる癖があって、振付けの鈴木明子さんから、この美しい曲に合わないし苦しく見えるから、深い呼吸をして脱力感を見せた方が良いとアドバイスを頂いた。美しさが重要ということを教えて頂いた。


シーズン前半はやっぱり不調続きで、なかなか試合結果として出なかった。フランス杯が終わってから、私には全日本しかないっていう気持ちで練習に臨んできたので、自然と背水の陣という状況で、体調も崩れることなく練習を積めていけたのが、やっぱり調子を上げていけたきっかけになったと思う。グランプリシリーズの2戦とも良い結果ではなかったので、代表争いっていう意識は全然なかった。4大陸選手権に出られるよう、そこを狙ってこの大会に臨んできた。2位という結果にはすごく驚いている。


最終グループの圧迫感というか、緊張感は尋常ではなかった。それでも自分の練習でやってたことが出せて良かった。去年もショートプログラムで70点台が出て、もうその時点ですごい嬉しかったが、フリープログラムで初めての最終グループの圧迫感に押しつぶされて転倒してしまった。2年目の最終グループとして、「そういえばこんな感じの緊張感だった」と。少しは経験が繋がったのかなと思う。 

 京都の木下アカデミーに移籍したが、練習環境がとてもいいチーム。自分で決めた以上、この選択が間違いじゃなかったという結末にしたい。まだその道の途中で、これから来年、再来年どんどんパワーアップしていきたい。今回の結果は良かったが、まだ課題点が多いので、もっと練習していきたい。 今後、フィギュアスケート界を盛り上げるために、フィギュアスケートという競技は、こんなに美しくて綺麗で、かつダイナミックな競技っていうのを、皆でもっと広めていく、その一員になれたらと思う。    


PHOTO:水谷章人/SportsPressJP 

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