上田綾世の153秒

文: 日本蹴球合同会社/森雅史 

写真: Suzuki Hiroshige/SportsPressJP

上田綾世・2023年6月15日 

6-0 エルサルバドル戦


開始早々のゴールから1分後、上田綾世はエルサルバドルのバックパスを見逃さなかった。ボールを奪って前に出たところを倒されPKを獲得する。パスカットから62秒後、上田は祈るようにボールを置いて後ろに下がると、44秒かけて呼吸を整えた。

上田が右足で蹴ったボールはGKの手の下をすり抜けゴールに滑り込んでいく。上田はみんなの祝福を受け、口元で手を合わせて祈るようにしながら、得点から47秒後にセンターラインまで戻っていった。


ボールを奪ってPKを決め、エルサルバドルがキックオフするまでの153秒。これが今後続くであろう上田の得点劇のうち、最初のドラマの時間だった。


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